雨とムーミン
大学生の頃某大手セレクトショップでアルバイトをしていた。 面接で「好きな芸能人はだれですか?」予想を反した質問がきた。 自分でもあんまり可愛げのない答えだなあと思いつつ…。 モデルの「KIKIさん」です。と答えた記憶がある。 店長以外知らなかったが店長が当時知っていてよかった。 キッズ・雑貨エリアを希望した。 ペインターパンツとナイキのブレザー(スニーカー)当時の自分の制服であった。 そのままの姿で働けることが幸せだった。 流行を一切気にせず働けた。 当時、倫理的なファッション、服の歴史や背景を女性にも伝えたいという強い思いが生まれていた。 ヒール(靴)がヒール(悪)に見えていた自分には気持ち的に働きやすさがあった。 たまにウィメンズにでてシフォン素材とかを着用すると疲れが2倍になった。 別に否定している訳じゃない。 自分が雑なだけである。 キッズなのにナイキのエアモック、ナイキのブレザー、ニューバランス、帽子にいたってはcoeurまである。 カリモク60、リサラーソン、イッタラ‥‥定番だが間違えのない商品。 広い売り場だった故に良い雑貨が巡ってきた。 リサラーソンにいたっては常に10体以上あって動物園状態。 休憩は先輩と洋服・古着・スニーカーの話をしていた。 なにが一番記憶ににあるか。 ムーミンのアニメを流すことである、 こどもがムーミンを見ている、 こども向けファンタジーと思われがちな物語。 しかし奥に生身の人間の関わりあい、作者の葛藤、反戦の思いなどが投影されている。 雨だと走りまわれないのでDVDエリアが混む。 ムーミンをじっとみているこどもを見ながらよしよしと思っていた。 ムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソンという作家。 彼女はファンである子ども達から届く手紙に、返事を書き続けていた。 1980年代、年間約二千通の手紙が届いていたといわれている。 膨大な手紙を全て自筆で個人的に返事を書いていた。 圧倒的である。 ムーミン谷は、大嵐、噴火、洪水、さらには彗星が落ちてくる。 災害や戦争。 意外にに怒りっぽいスナフキン。 ジェンダーフリーのキャラクター。 雨がふるとムーミンを見入るこどもの後ろ姿が浮かんでくる。 彗星が落ちてくる前に自分が無理せずできることを手を抜かずにやりたいと思う。
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